<オトナの社会見学> 「18歳未満入場禁止」の「春画展」に、若い女性が行列をなしている。春画といえば、江戸時代の「エロ浮世絵」程度の知識しかなかったが、「芸術か、わいせつ物か」の議論もある。日陰の存在とされてきた春画の何が引き付けるのか。会場の「永青文庫」(文京区目白台)をのぞいてきた。 男「これが有名な北斎のタコ? すごい構図、ありえない世界だね」 女「…」 来場した20代カップルのやりとり。会話になっていない。女性グループになると、話が弾んでいたようで、絵を肴(さかな)にして体験談に花を咲かせていた。来場者の半分以上は女性だったのが意外だった。 「北斎」とは、江戸の浮世絵師葛飾北斎。「タコ」は、1820年ごろの木版画「喜能会之故真通(きのえのこまつ)」シリーズの1枚で「蛸(タコ)と海女」。紙面では、一部をカットして掲載するのが限界で、実物は会場に足を運んで鑑賞してもらうしかな