「こどもと震災復興 国際シンポジウム」(相馬地方市町村会主催)の2日目が8日、相馬市民会館であった。東京電力福島第一原発事故に伴う当時18歳以下の県民の甲状腺検査について海外の専門家から「すぐ手術をするより注意深く見守る方がいいかもしれない」と意見が出された。 小児甲状腺がんに詳しい英インペリアル・カレッジのジェリー・トーマス教授は、小児甲状腺がんは死亡率が1%前後と低いとし「がんが強く疑われてもすぐに手術をせず、注意深く見守る方がいいかもしれない。それで生存率が悪くなるという証拠はない」と指摘した。 甲状腺がんは、最終的には手術でがん組織をとらないと確定診断が出ない。そのため、県の甲状腺検査でがんが疑われた県民の多くが確定診断のための手術を受けるが、疫学の専門家からは「成人になって症状が出てから治療しても遅くない場合もある。過剰診断では」との指摘もある。 また、南相馬市立総合病院の研究員
原子炉を自力で冷やせなくなった原発へ、海上から真水を運んだ自衛隊員たちがいた。作戦名は「オペレーション・アクア」。見えない放射線への恐怖とどう向き合ったのか。東京電力福島第一原発の事故から5年。作戦に加わった3人が語った。 ――東日本大震災の発生翌日の2011年3月12日に福島第一原発の1号機、14日に3号機で水素爆発が起きた。海水による冷却では塩の結晶ができるため、真水を入れた台船を海上自衛隊横須賀基地のタグボート2隻(YT79、YT68)が原発へ運ぶ作戦が24日、立案された―― YT79の船長だった厚ケ瀬(あつがせ)義人・元1等海曹(57)=13年3月退職 テレビのニュースで爆発する様子を見て「大変なことが起きている」と感じていたが、まさか原発へ行くとは。上官から作戦を聞かされ、放射線対策としてYT79の窓を溶接するなどの準備に入った。家に帰る時間はなく、妻からは電話で「誇りを持って、
史上最悪の原発事故から来月で30年を迎えるウクライナのチェルノブイリ原発で23日、建設の進む「新シェルター」が報道陣に公開された。事故で爆発した4号機をコンクリートで覆った「石棺」の老朽化がひどく、…
東日本大震災や東京電力福島第一原発事故の避難生活による体調悪化などが原因の「震災関連死」は2月末時点で、岩手、宮城、福島3県で計3405人に上った。昨年3月以降も少なくとも11人が亡くなり、関連死とされた。11日で震災から丸5年。長期にわたる避難が、被災者の心身に影響し続けている。 3県によると、今年2月末までに震災関連死と認定されたのは、岩手459人▽宮城920人▽福島2026人。昨年3月末以降129人が認定され、うち112人は福島だった。福島ではその後、9日現在でさらに5人増えている。 市町村別では、福島県南相馬市が485人と最多で、同県浪江町380人、同県富岡町が336人と、福島第一原発周辺の被災者が目立つ。原発事故で今も10万人近くが県内外に避難する福島では、関連死の数が津波や家屋の倒壊など震災が直接の死因となった1613人(警察庁まとめ)を上回っている。 福島第一原発に近い町では
運転中の九州電力川内原発(鹿児島県)周辺に設置されたモニタリングポストのうち、ほぼ半数が事故時の住民避難の判断に必要な放射線量を測れないことがわかった。9日の大津地裁の仮処分決定で運転が止まった関西電力高浜原発(福井県)の周辺でも、計画する数が設置できていなかった。事故時の住民避難の態勢が十分に整わないまま、原発が再稼働した。 東京電力福島第一原発事故後、国は原子力災害対策指針を改定。原発から5キロ圏は大事故が起きたら即時に避難し、5~30キロ圏はまず屋内退避したうえで、ポストで測った放射線量の値をみて避難させるかを国が判断することにした。毎時20マイクロシーベルトが1日続いたら1週間以内に、毎時500マイクロに達したらすぐに避難する。 指針などでは、原発から30キロ圏の市町村に避難計画の策定を、道府県にはポスト設置と、地区ごとに避難の判断基準とするポストを定めることを求めた。 鹿児島県は
師走の金沢21世紀美術館(金沢市)。薄暗い部屋に置かれた培養器のなかで、ヒトのiPS細胞からつくられた心筋細胞がうごめいていた。細胞には、バーチャルアイドル初音ミクの特徴を織り込んだDNA情報が注入されている。 人間とは何なのか――。アーティスト集団BCLによる展示「ゴースト・イン・ザ・セル」は… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。
原子力発電所で重大事故が起きたとき、自治体はバスなどで周辺住民を避難させる。しかし、被曝(ひばく)の恐れがある地域に、民間バスの運転手を強制的に向かわせる制度はない。11日に九州電力川内原発が再稼働する予定だが、住民の避難計画は運転手の善意が頼みだ。 福井県の関西電力美浜原発で事故が起き、放射性物質が外部に漏れ出た――。 7月12日、こんな想定の防災訓練が滋賀県長浜市であった。滋賀県の長浜市と高島市は福井県内の原発の半径30キロ圏(緊急時防護措置準備区域=UPZ)にあり、圏内に約5万8千人が住む。 訓練には住民503人が参加した。最寄りの小中学校や体育館に集まり、バス14台に分乗して県立長浜ドームまで避難した。 2011年3月の福島第一原発の事故後、12年9月に原子力災害対策特別措置法が改正された。これを受け、原子力規制委員会が定めた原子力災害対策指針の中で、原発の半径30キロ圏の自治体は
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