2006/21/May ホテルモントレ仙台会議室 大庭科研「自己知と自己決定」研究会 1 メタ倫理学から見た自由意志問題 日本学術振興会特別研究員 PD 慶応義塾大学 佐々木 拓 まえおき 本発表の基2006/21/May ホテルモントレ仙台会議室 大庭科研「自己知と自己決定」研究会 1 メタ倫理学から見た自由意志問題 日本学術振興会特別研究員 PD 慶応義塾大学 佐々木 拓 まえおき 本発表の基盤となっているのは、私がここ数年の研究で みている自由における「 い訳アプローチ」という考えである。この考えは、自由とは責任を成立させるための 必要条件ではなく、むしろ、その不在が我々の帰責を制限するように機能する、すな わち い訳としてのみ機能するような概念である、というものである。このアプロー チの裏には、ジョン・ロックという表向きは自由に関する因果的決定論者の系列に数 え入れられているものの、その内実は自由意志論者(Libertarian1 )という哲学者の自由意 志論を救おうという考えがあり、その意味で自由意志論者的自由意志概念を、なんと かその特異な形而上学上の存在者を想定せずに
