関東も梅雨入りし、まさに陰々滅々。 出張を忘れ、アロハなTシャツで出社する。こういう時のために常備してあったロッカーの中にも、替えのシャツがない。妻に連絡したら、出張先近くの聞いたこともないチェーン店を教えてもらった。「そこで買うしかない」と。早目に出社し捜索すること10分。妻が言っていたチェーン店を発見した。最も安い紳士シャツを選び、会計に行くと、近所のおばさまがレジ打ちをしていることに気付き途方に暮れる。 意を決して購入し、汚いトイレで着替えすると、隣の個室から強烈な排泄音がする。 出張先では、1番会いたくない時に決まって現れる輩がいた。弛んだ体をキツめのシャツに包み、社内の課題を自分がどれだけスマートに解決したか語っている。いたずらに長いだけで何の役にも立ちそうにない話を延々と聞かされた。私が唯一好感を持っている老紳士がいた。定年もそう遠くない小太りの先輩で、眼鏡の奥に申し訳なさげな