前回のお話 イチイさんが外出中、てんやわんやだったオウギさんたち。 ようやく閉店時間が訪れました。 「やっと仕事のピーク過ぎましたね」 「焦ったぁ。そういえば、イチイさんまだ来てないじゃん」 「よかったですよ。さっき来てたらやばかった」 薬剤師たち皆、だいぶホッとしています。 医療従事者の立場として、ミスは許されません。 よほど肝を冷やしたのでしょう。 「イチイさんも別にキレたりはしないだろうけど、いるだけでこっちが焦るからな」 「そういえばロクジョウさん、さっき乳鉢で錠剤をすりつぶしてたよね」 「粉砕用のミルないんだっけ?」 「あったと思うんですけれど、焦っていたからか見つからなくて」 「えー。まじで?忙しい時は、ミルあった方がいいよね」 オウギさんはミルを求めて、調剤室の中を探しまわります。 「あ、あるじゃん。調剤室じゃなくて、給湯室のところに」 「だれかがコーヒー豆粉砕してたんじゃな