■米と次第に「対等な関係」に 人類初の月面着陸から40年の7月、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」が完成した。日本の宇宙開発にとって「大きな一歩」だ。 「子供の成長を見届けたような心境。多くの人の熱意と努力が、ようやく実を結んだ」 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の前身の宇宙開発事業団元理事で、きぼう計画を立ち上げた斎藤勝利さん(65)は感慨をこう語る。 1982年、米スペースシャトルでの宇宙実験の立案などを担当していた斎藤さんは、米国の宇宙基地計画への参加に向けた検討を命じられた。 「とりあえず何かやれ」 新人の部下と2人で情報収集や資料作成を始めたが、当時の日本は、純国産の基幹ロケット開発にようやく乗り出す段階。研究者や産業界の代表らと検討を重ね、手探りで日本実験棟の原型をまとめた。他国の施設にはない船内・船外実験施設や保管室、ロボットアームなどの基本構成は、研究者や