一方、ワタミを巡っては、過去に新入社員が過労自殺するなどブラックぶりが問題視されてきた。宅食事業を巡っても、昨年9月、営業所長の残業代未払いに関して労働基準監督署から是正勧告が出されている。さらに今年3月にも、月75時間を超える残業をさせていたとして、是正勧告が出されていた。 その宅食事業のトップである宅食事業本部長に10月1日付で起用されたのが、執行役員の肱岡彰彦氏だ。 10月の最終週、全国で数百名いる「ワタミの宅食」営業所の所長に向け、社内ネットで1本の動画が配信された。「週刊文春」が入手した動画によれば、肱岡氏は以下のように語っている(音声のみ公開)。 肱岡「11月の残業が増えるということは……増えるということは問題がありませんし、逆に言うと、増やして下さい。で、必ずいま述べたような施策を、必ずやるというふうに考えて下さい」 労働基準法で定められた残業時間の上限は原則的に月45時間だ