10:55 おや、こんなところに元ネタが 川本三郎『クレジットタイトルは最後まで』(中公文庫 2000)に興味深い記述があった。『私に近い6人の他人』(1993 フレッド・スケピシ監督)を紹介し、ウィル・スミスの台詞を引用しているのだが、P.96 この黒人の若者(註:ウィル・スミス)は料理はうまいし、教養はある。美術商の夫婦をたちまち魅了していく。たとえばJ・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を論じ、「チャップマンもヒンクリーもこの小説を読んでいた。読んでみて禁書になるのも分かる気がした」などという。チャップマンはジョン・レノンを殺害した犯人の名前、ヒンクリーはレーガン大統領の狙撃犯。『ライ麦畑でつかまえて』がアブナイ男たちの愛読書になっていたことを指摘している。「禁書」というのは『ライ麦畑』が出版当初、州によっては不良図書として読むのが禁じられたことを指している。 青文字部分は、