国立国会図書館の蔵書を地方の図書館でも瞬時に閲覧できるようにする実験が9月から始まることが、28日決まった。国会図書館の蔵書をめぐってはネット経由で一般利用者に有料公開する構想もあるが、こちらは閲覧場所を館内に限る代わりに無料を維持するのがミソだ。 今回は司書間の実験で、利用者の閲覧が可能になる時期は未定だが、出版社や著作権者からは「ますます本が売れなくなる」と反発の声も上がっている。 この実験は、大阪市のソフトウエア開発会社「マウス」や京都高度技術研究所とともに国会図書館が共同で進める。京都市中央、秋田県立、京都府立、岡山県立の各図書館に、国会図書館がデジタル化した蔵書や50年以上前のSPレコードをネット配信する予定。実用化されれば、利用者は、各館内のパソコンで読んだり聴いたりできる。来年3月まで、有料でネット公開する構想の前段階と位置づけ、総務省の地域活性化事業として実施される。