図書館問題研究会(ともんけん)がお送りするイベント情報や緊急ニュース、そして会員のリレーエッセイ。 大地震によって被災されたみなさんに心からお見舞い申し上げます。 図書館問題研究会一同 1987年に公共図書館員となった頃、既にコンピュータシステムで図書館を運営しているところは多数あったが、私の所属先はまだ「変形ブラウン」という手作業で貸出を行い、目録は職員が分類、目録記入、カード配列など一連のテクニカルサービスを行っていた。 貸出カウンターに立つ職員は、数百件に及ぶ予約票を貸出手続きの合間に記憶すべく目を通し、貸出時にまだ予約のある貸出票にはクリップを挟んで、返却時の予約引当を容易にする術をとっていた。整理作業スペースでは、分類付与についての意見交換や目録記入の書誌事項の階層をめぐる議論が交わされたりと、今にして思えば誠に牧歌的な、しかし本を身体化していく作業が行われていた。 そうした作業