2019年3月10日のブックマーク (2件)

  • 山が好きだからといって善人とは限らない『闇冥』

    三大「〇〇好きに悪人はいない」のカウンターができた。 犬好きに悪人はいない → 『冷たい熱帯魚』 子好きに悪人はいない → 『IT』 山好きに悪人はいない → 『闇冥』 最初は、埼玉愛犬家連続殺人事件をベースにした映画園子温・監督・脚で、猟奇殺人事件に巻き込まれた男を描いたホラーだ。死体解体など凄惨なシーンもあり、R18+に指定されている。 次は、殺人ピエロの異名を持つジョン・ゲイシーから想を得た小説。みんな大好きスティーヴン・キングの長編で、映画にもなっている(リメイクされたハイ! ジョージーが有名やな)。怖さなら小説を、おぞましさなら、実話のほうWikipedia[ジョン・ゲイシー]をお薦めする。 最後は、今回お薦めの山岳ミステリアンソロジー。馳星周が選んだとあって、ノワールなやつから悲哀に満ちた作品までさまざま。ここでは、山岳ミステリの傑作とも言われる、松清張「遭難」について紹

    山が好きだからといって善人とは限らない『闇冥』
  • どうして人間はこんなにも多くの本を破壊するのか──『書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで』 - 基本読書

    書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで 作者: フェルナンド・バエス,八重樫克彦,八重樫由貴子出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2019/02/28メディア: 単行この商品を含むブログを見る 「書物」ではなく「書物の破壊」に注目し、その起源から現代までを700ページ超えの圧巻の物量で概観してみせる凄まじい一冊だ。書物の破壊といっても、災害での消失から、戦争での破壊、思想・心情に反する焚書、虫いまで様々なわけだが、書はその全てを対象とみせる。一度2004年に初版が刊行され、後に好評を受け新版が出ているのだが(邦訳の底はこっち)、そこでは「フィクションの中の書物の破壊」について語る部分まで挿入されており、やりすぎなぐらいにやってくれている。 書物は記憶を神聖化・永続化させる手段である。それだけに今一度、社会の重要な文化遺産の一部として捉え直す必要がある。文

    どうして人間はこんなにも多くの本を破壊するのか──『書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで』 - 基本読書