横浜F・マリノスのホームスタジアム、日産スタジアムはブーイングに包まれ、サポーター席からは1人の選手の名前がコールされていた。 2010年シーズンを戦い終え、木村和司監督や嘉悦朗社長がサポーターに向けて挨拶を行なった最終戦のセレモニーは異様な光景となった。 サポーターたちの叫び声によって挨拶の言葉はかき消されていった。 彼らは8位で終戦した今季の成績に、悲しみと怒りの声を挙げていたわけではない。松田直樹を筆頭に山瀬功治、清水範久、坂田大輔、河合竜二といったマリノスを長年支えてきた選手たちが次々と来季の契約非更新を伝えられてクラブを去ることになった事態を嘆くとともに、クラブ側の対処を激しく責めていたのだ。 1995年から16年にもわたってマリノス一筋でプレーし、マリノスが獲得したすべてのタイトルを経験した“ミスターマリノス”こと松田直樹は、唇を震わせ、目を真っ赤にしながら自分に向けられたエン
![若手に追い出して欲しかった……。松田直樹にみるベテランの存在価値。(二宮寿朗)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/11e83d95a0e7d75dd833bdb604f2b447a4353da6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2Fb%2F-%2Fimg_fb14c38a4aa533ac5f74187b61d22668342914.jpg)