訓読 >>> 一昨日(をとつひ)も昨日(きのふ)も今日(けふ)も見つれども明日(あす)さへ見まく欲しき君かも 要旨 >>> 一昨日、昨日、そして今日もお目にかかりましたが、さらに明日もまたお目にかかりたいと思うあなた様です。 鑑賞 >>> 作者の橘文成(たちばなのあやなり)は、左注の注に佐為王の子とありますが、伝未詳です。この歌は、天平9年(737年)の正月に、聖武天皇に仕えていた高級官僚、門部王(かどべのおおきみ)宅において開かれた宴席で、主人の門部王に贈ったとされます。宴歌というより、熱烈な恋歌の趣きの歌です。