海洋研究開発機構は27日、日本海溝付近の海底を調査している地球深部探査船「ちきゅう」(5万6700トン)のドリルが海面下7740メートルに達し、海洋の科学掘削としては世界最深を更新したと発表した。 ちきゅうは、東日本大震災で巨大津波を起こした海底の震源域を調査するため、今年4月に静岡県の清水港を出発。宮城県・牡鹿半島の沖約220キロに停泊し、ドリルを先端につけたパイプを下ろしていった。水深6883・5メートルの海底に着いた後、センサーで地層の放射線などを測りながら海底下856・5メートルまで掘り抜き、海面下7740メートルに到達した。 海洋の科学掘削では、米国船が1978年にマリアナ海溝で達成した7049・5メートルがこれまでの最深だった。