日本は毎年約2500万トンもの穀物(トウモロコシ、コムギ、オオムギ、ソルガムなど)を海外から輸入しています。輸入穀物の中には、輸出国の農耕地で生育していた様々な雑草種子も混入しています。輸入穀物に混入して侵入する外来植物には農業害草となる種類も多いため、侵入初期に発見してその盛衰を追跡することは、外来植物の効果的な予防管理にも役立ちます。 下野嘉子 農学研究科准教授、池田茉史 同修士課程学生、西健志 同修士課程学生、浅井元朗 農業・食品産業技術総合研究機構グループ長補佐らの研究グループは、全国の国際貿易港20港で春と秋に植生調査を行い、穀物の輸入量が多い港(穀物輸入港)と穀物を輸入していない港(非穀物輸入港)の植物の組成を比較しました。さらに、穀物輸入港で多く見られた種が輸入穀物にも多く混入しているのかを検証しました。 各港の植物の種組成の類似度を計算して分類したところ、調査した20港は、