イヌノフグリVeronica didyma。春に花を咲かせていた場所に行ったら、タネが成熟していた。とても小さく、平べったい。スナック菓子のカールに似た形をしている。 タネにはボッチがついているが、これがアリを引き寄せるエライオソームである。地面に落ちたタネは、やがてアリに発見されて巣に持ち帰られる。 タネが落ちるのを体育座りして待っていたら日が暮れてしまうので、むりやり近くにいたアリに勧めてみた。トビイロシワアリは、すぐにくわえて巣に運び込んだ。巣内でエライオソームだけ囓り取り、タネはあとでその辺に棄てる。運が良ければ、タネはそこで発芽し、根を下ろすことが出来る。 長野にて。