かの特撮の名作『ウルトラセブン』には、再放送やDVDなどで意図的に省かれ続けている幻の放送回がある。「遊星より愛をこめて」。この回に登場した異星人に付けられたある説明文が物議を醸したのだ。 手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』には、「快楽の座」という、『週刊少年チャンピオン』には掲載されたものの、一度も単行本に収録されていない回がある。アニメ化された藤子・F・不二雄の人気作品『ジャングル黒べえ』は、理由不明のまま表舞台から姿を消している。『ちびくろサンボ』が復活したにもかかわらず――。 「なかったこと」にされた作品たちにスポットを 一度はメディアに露出したものの後日なかったことにされたこれらの作品を「封印作品」と呼び、封印された経緯を丹念に調べ上げて再びスポットを当てたのが安藤健二さん(41)だ。緻密で執念深い取材に裏付けられた真相解明の手腕は高く評価され、第1作『封印作品の謎』は累計3万