最少の部品種類で多様な製品を開発する手法として提唱されたモジュラーデザイン(MD)。設計パラメータをモジュール化した後で部品仕様をモジュール化するので、設計パラメータと部品仕様の関係を「見える化」することが不可欠となる。そのための手法が「設計手順書」である。 設計手順書の効用は、設計のモジュールの実現にとどまらず、新人の即戦力化、技術伝承、技術力強化、製品開発期間の短縮、設計の自動化と多岐にわたる。だが、日本では設計手順書を組織的に整備・活用している企業は少ない。日本のメーカーが再びグローバル競争の勝者に名乗り出るために、MDの提唱者である日野三十四氏が設計手順書の概要を解説する。 マツダに30年以上勤務し、技術情報管理や技術標準化を推進した後に、2000年に経営コンサルタントとして独立。韓国の世界的な電機メーカーを皮切りに、日本の最大手の重工業メーカー、電機メーカー、産業機械メーカー、電