n7o999のブックマーク (8)

  • 静寂の中に宿る光――映画『PERFECT DAYS』が記憶に残る理由

    映画に刺激や驚きを求める私たちは、ときに「静かすぎる物語」に戸惑う。そこに感動のクライマックスはあるのか?感情を揺さぶる劇的な展開は?そういった問いを抱えたまま、ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』を観始めると、しばし拍子抜けするかもしれない。 作の主人公・平山(役所広司さん)は、東京都内の公共トイレを清掃する男だ。黙々と、しかし丁寧に、日々の仕事をこなす。朝、目覚め、顔を洗い、植物に水をやり、小さな車に乗って現場に向かう。車のカセットデッキから流れるのは、ルー・リードやパティ・スミス。彼の一日はほとんど変化がない。 地味である。非常に地味だ。けれど、その“地味さ”こそが、なぜか心に染みてくる。 平山という存在の“地味さ”と“特別さ” 平山は、人目に触れにくい仕事に、静かで揺るぎない誇りを抱いている。ときに不快な作業に直面し、すれ違う人々の視線や無神経な態度に傷つくこと

    静寂の中に宿る光――映画『PERFECT DAYS』が記憶に残る理由
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    n7o999 2025/05/02
    ヴィム・ヴェンダース監督『PERFECT DAYS』のレビュー。 “都市に生きる”とはどういうことか、静かに問いかけてくるような作品。 平山の佇まいを通して、人間の尊厳や記憶の意味について考えました。
  • 映画『オッペンハイマー』を日本人としてどう受け止めるか

    第二次世界大戦の終盤、世界の歴史を決定的に変えた“ある決断”があった。 それは科学の勝利であったのか、それとも人類の限界だったのか。日人として、この問いにどう向き合うべきか――。 科学と破壊のはざまで 私たちは、科学の進歩を無条件に信じていいのだろうか――。 クリストファー・ノーラン監督による映画『オッペンハイマー』(2023年)は、「原爆の父」と称される理論物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの軌跡を描いた作品である。しかし作が掘り下げるのは、単なる一人の天才科学者の伝記にとどまらない。そこには、科学と倫理のせめぎ合い、栄光と罪悪感の交錯、そして個人と国家の関係性といった、現代にも通じる普遍的な問いが浮かび上がる。 原爆投下という事実を通して、映画は20世紀の光と影を私たちに突きつける。それは、戦後を生きる日人にとって決して他人事ではない。広島と長崎の惨劇を知る私たちは、この物語

    映画『オッペンハイマー』を日本人としてどう受け止めるか
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    n7o999 2025/05/01
    「ノーラン版オッペンハイマーを、日本人としてどう観るか」 原爆開発をめぐる倫理、トルーマンの冷徹な決断、そして語られない“日本”の記憶。 映画を通して歴史と向き合う、個人視点のレビュー。
  • “あん”という名の痛み――映画『あんのこと』が映す、生きづらさの輪郭

    私たちは、どこまで他人の痛みに寄り添えるのだろう。 たとえそれが、スクリーンの中の物語であっても――。 映画『あんのこと』は、実際の少女の人生をもとに描かれている。 その歩みはあまりにも過酷で、目を背けたくなるような現実がそこにあった。 けれど、彼女の存在は私たちのすぐ隣にいたかもしれない“誰か”に重なる。 この作品が伝えたかったものは何だったのか。 自分自身の視点で、静かに振り返ってみたい。 私たちは、あの少女の痛みにどこまで寄り添えるだろうか ――映画『あんのこと』を観て考えたこと 新聞の三面記事に掲載された、ある少女の壮絶な人生。それは、決して遠い世界の話ではない。 入江悠監督による映画『あんのこと』は、そんな一つの実話をもとに描かれた、静かでいて、鋭く胸を突く人間ドラマである。 この映画を観終えたあと、心の中で何かがざわめいていた。 目を逸らしてはいけない現実。 目の前の画面のなか

    “あん”という名の痛み――映画『あんのこと』が映す、生きづらさの輪郭
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    n7o999 2025/04/30
    映画『あんのこと』(入江悠監督/2024年公開)のレビュー記事。 実話をもとにした内容、河合優実の名演、手持ちカメラによる演出などを考察。 社会の周縁に生きる少女の姿から、「生きづらさ」の現実に迫っている。
  • 『侍タイムスリッパー』映画レビュー 斬られ役になった侍が見たもうひとつの日本

    私たちは、どの時代に生きているのだろうか――。 スマートフォンの光の中で顔を上げたとき、あるいは、誰かとの会話がいつの間にか心から離れていったとき。ふとそんな問いが、胸の内に差し込むことがある。映画『侍タイムスリッパー』は、まさにその問いを、幕末から現代へと迷い込んだ一人の侍の姿を通して、静かに投げかけてくる。 斬られ役として生きる侍が現代に問いかけるもの 侍の目に映る現代――時代を越えた視線 物語の始まりは突拍子もない。幕末の会津藩士・高坂新左衛門(演:山口馬木也さん)が、戦闘のただなかで雷に打たれ、現代の映画撮影所にタイムスリップしてしまうのだ。だがこの作品は、決してその奇抜な設定に頼ることなく、そこから生まれる“まなざしの差異”にこそ、主題を据えている。 高坂は、かつて命を賭して刀を振るった男だ。だが現代において、それは単なる“演技”にすぎない。映画の世界では、斬ることも斬られること

    『侍タイムスリッパー』映画レビュー 斬られ役になった侍が見たもうひとつの日本
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    n7o999 2025/04/29
    50代の映画好きが語る、現代と過去をつなぐ静かな物語。 観終わったあと、きっと何かを思うはず。
  • 『アマテラスの暗号』伊勢谷武――歴史の深層に潜む「謎」に触れる旅

    評判がいい注目の小説らしい、という噂を知って、なんとなく手に取った一冊だった。Kindle Unlimitedに入っていたこともあり、まずは冒頭だけでも――と軽い気持ちでページをめくった。プロローグが終わり、編に入ったあたりから、不思議な吸引力にとらえられ、結局そのまま一気に読み切ってしまった。伊勢谷武氏の『アマテラスの暗号』は、そんな「知的好奇心」に訴えかけてくる小説だ。 古代日とユダヤを結ぶ“謎”――『アマテラスの暗号』が開く知の迷宮 古代日にユダヤの痕跡?――小説が開く想像の扉 物語のあらすじについては詳述を避けるが、主人公は、ゴールドマン・サックスでデリバティブ・トレーダーとして活躍していたという異色の経歴を持つ男。ある死をきっかけに、日各地を巡る旅が始まり、読者はともに神話や伝承の地を訪れながら、日古来の記憶に潜んだ“ある暗号”を読み解くことになる。 作の魅力のひとつ

    『アマテラスの暗号』伊勢谷武――歴史の深層に潜む「謎」に触れる旅
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    n7o999 2025/04/28
    古代日本とユダヤ人の関係を題材にした歴史ミステリー。 小説『アマテラスの暗号』は、知的好奇心を満たしながら、フィクションとノンフィクションの狭間を考えさせてくれる。 歴史好きにおすすめしたい一冊。
  • 目やに - 目の症状セルフチェック|参天製薬 | 参天製薬日本サイト

    目やにが出る</h2>\r\n<p>目やにが多いとき、気になるときは、<br>\r\nまず色や様子をチェックしましょう。</p>\r\n"}}" id="text-108175afb5" class="cmp-text">

    目やに - 目の症状セルフチェック|参天製薬 | 参天製薬日本サイト
  • イスラエル 人類史上最もやっかいな問題 ダニエル・ソカッチ著 2つの理念相克の現実描く - 日本経済新聞

    書はユダヤ系アメリカ人が描いたイスラエル論である。著者のダニエル・ソカッチは1968年生まれで、イスラエルの民主主義を名実ともに実現するためのNGOの代表を務める社会運動家である。著者が最初にイスラエルに滞在したのが80年代半ばで、まだ若かった10代後半であった。書の第1部「何が起こっているのか?」では、イスラエル建国以前のイギリスによる委任統治期から95年のイツハク・ラビン首相の暗殺直後ま

    イスラエル 人類史上最もやっかいな問題 ダニエル・ソカッチ著 2つの理念相克の現実描く - 日本経済新聞
  • ノーベル文学賞を受賞したヨン・フォッセ氏が語る「ライティングに関する最も重要なアドバイス」とは?

    2023年のノーベル文学賞に、ノルウェーの劇作家であるヨン・フォッセ氏が選ばれました。文学関連のトピックを扱うメディアのLiterary Hubによるインタビューの中で、フォッセ氏は「他人の声に影響されず、自分自身の声に耳を傾ける」など、執筆における経験やアドバイスを語っています。 Newly minted Nobel Laureate Jon Fosse on the best writing advice he’s ever received. ‹ Literary Hub https://lithub.com/newly-minted-nobel-laureate-jon-fosse-on-the-best-writing-advice-hes-ever-received/ Meet the 2022 National Book Award Finalists ‹ Literary

    ノーベル文学賞を受賞したヨン・フォッセ氏が語る「ライティングに関する最も重要なアドバイス」とは?
    n7o999
    n7o999 2023/11/02
    ヨン・フォッセ 氏にとって、執筆は「多かれ少なかれ、意識的な夢」であり、「他人の声に影響されず、自分自身の声に耳を傾ける」ことが自身のルールとのこと。
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