製作スタッフの女性たちと週1回、事務所でデザイや商品開発を話し合う。手前が「FUGURO」=宮城県亘理町、福留庸友撮影 | 朝日新聞社 WATALIS代表 引地恵さんタンスに眠っていた古い着物をほどき、おしゃれに仕立て直した小物のブランド「WATALIS(ワタリス)」を立ち上げた。ヒントは、地元の宮城県亘理町の女性たちの間で伝えられてきた、手仕事の返礼文化。この春に株式会社化し、本格的なビジネスをめざす。――目力、ありますね。「よく言われます。写真は、やわらかくお願いね」――きっかけは、東日本大震災ですか。「町の半分が浸水した亘理町で、郷土資料館の学芸員をしていました。震災後の民俗調査で、人の家を訪ねたり、ちょっとしたお礼をしたりするとき、着物の端切れでつくった巾着袋にコメ一升を入れて持参する風習があったことを、知ったんです。被災して店を取り壊すという呉服屋さんからも、たくさん着物地をいた