水素やヘリウムのような軽い原子の核は、極端な圧力と高熱の下では融合し合い、その際に強いエネルギーを発生する。これが核融合と呼ばれるもので、太陽のような恒星は、核融合によりエネルギーを出し続けている。同じ原子力発電でも、ウランやプルトニウムのような重い原子を使用する核分裂炉とは異なり、連鎖反応による暴走は起こらない。 新方式の核融合炉を開発したのは、ワシントン大学で物理学を研究するトーマス・ジャーボー教授と研究者のデレク・スザーランド氏。彼らが成し遂げたこととは何なのか。 磁場の発生方式を変えることでコストを削減 まず、ジャーボー教授は核融合技術について、次のように説明する(動画34秒~)。「核融合は、本質的にエネルギーの無限の源であり、クリーンエネルギーです。地球上に何もフットプリントを残しません。フットプリントなし、核廃棄物なし、温室効果ガスなし。基本的に理想のエネルギー源といえるでしょ