奈良市の古墳で、古代の東アジアで最も長いとされる鉄剣「蛇行剣(だこうけん)」が見つかり、持ち手部分の「つか」が、のちの時期の刀と剣の特徴をあわせ持った特殊な形をしていたことがわかりました。専門家は、古墳時代の刀剣類の変遷を知る上で極めて重要な資料になるとしています。 古墳時代の4世紀後半に造られたとされる奈良市の富雄丸山古墳では、令和4年度の調査で、古代の東アジアで最も長いとされる、長さ2メートル30センチ余りの、「蛇行剣」と呼ばれる波打つような形の鉄剣が見つかり、奈良県立橿原考古学研究所で表面のさびや泥を取り除く作業が行われてきました。 その結果、持ち手部分の木製の「つか」は、▼「把頭(つかがしら)」と呼ばれる先端の部分がアルファベットの「L」のように曲がっているほか、▼「把縁(つかぶち)」と呼ばれる刃に近い部分の片側には突起がついていることが、新たにわかりました。(下の写真の○の部分)