財務省が発表した1月の貿易統計は、貿易赤字が過去最大の2兆7900億円という少々ショッキングなものになりました。世の中には、貿易収支をめぐって様々な誤解があります。論点整理もかねて3つほど列挙してみました。 誤解その1 貿易赤字は絶対的に悪だ 貿易赤字が増えると、何としてもこれを改善しなければならないという議論になりがちです。しかし、必ずしも貿易赤字が悪いことであるとは限りません。家計の赤字・黒字とは異なり、貿易収支での赤字・黒字は単に貿易の差額を示しているにすぎないのです。どのような環境で貿易赤字になるのかで、それがいいことなのか、悪いことなのかは変わってきます。貿易赤字が続いていても、順調に経済成長できる国も存在します。赤字が是か非かという議論の前に、今の日本経済の状況をよく分析する必要があるわけです。 誤解その2 貿易赤字は放っておいて良い それでは、現在の日本で貿易赤字を放置してよ