JR吉備線の線路手前にある、立ち入りを禁じる看板=岡山市北区大安寺中町で2021年6月11日午後4時24分、岩本一希撮影 踏切が設けられていない線路を住民が通り道として使う。こうした「勝手踏切」と呼ばれる場所が、全国の約1万7000カ所に存在する。踏切がない場所を渡るのは違法だが、なかなかなくならないのが現状だ。専門家は「鉄道会社は黙認している」とみる。どういうことなのか。背景を探った。 JR岡山駅(岡山市北区)の2駅隣にある大安寺(だいあんじ)駅(同)から西へ約120メートル。JR吉備(きび)線の線路脇に「きけん」と赤字で書かれた看板がある。JR西日本が設置したもので、続けて「線路に立ちいらないで下さい」と記されている。看板の先には線路へ続く小道がある。緩い上り坂になっているが途中までアスファルトで舗装されており、お年寄りでも線路を渡れてしまいそうだ。 「散歩や買い物の際に渡ることがある