『プロスペクト理論』という行動経済学の理論があります。 「人は得するより損に敏感」という庶民感覚にまさにぴったりの感覚を理論として見事に証明したものですが、この理論ってぼくたちの日常生活の割と広い範囲に応用できるんじゃないかと思ったので考えてみます。 まず肝心の『プロスペクト理論』のことを知っておきましょう。理論と小難しく名前がついていますが、全然、難しくありません。先日、この理論を提唱したダニエル・カーネマンさんの『ファスト&スロー』という本を紹介しましたが、この本でその特徴について述べているところを引用すると・・・ 「・第二の特徴は、感応的逓減性である。この法則は、純粋な感覚だけでなく富の変化の評価にも当てはまる。暗い部屋ならかすかなランプをともしただけでも大きな効果があるが、煌々と照明の輝く部屋ではランプが一つ増えたぐらいでは感知できない。同様に、100ドルが200ドルに増えればあり