五輪初種目としても注目されたスキージャンプ混合団体。しかし、「スーツ規定違反」を理由に4カ国5人の女子選手が失格処分を受ける異常事態となった photograph by Getty Images 安らぎは、手のひらに落ちた雪のように束の間だった。 2月7日に行われたスキージャンプ混合団体の1回目、日本の1番手で登場した高梨沙羅は103mの大きなジャンプを見せた。点数が表示されて、ホッと微笑んでカメラに手を振る。今大会でテレビを通じて見ることができた、結果的に唯一と言ってもいい高梨の笑顔だった――。 【写真】号泣の高梨をハグする小林陵侑がカッコよすぎる…スキージャンプ日本チームの固い絆と小林の「ぶっ飛び大ジャンプ」を写真で一気に振り返る 長く葛藤してもがき続けた4年間は、そんな一瞬笑うためだけのものだったのだろうか。そうじゃなかったはずだ。思い出すたび胸が締めつけられるような刹那の笑顔だった