【台北・鈴木玲子】台湾で1947年に国民党政権が台湾住民を武力弾圧し多数の死傷者を出した「2・28事件」で日本人の父親が犠牲になったとして、日本人遺族が台湾当局に損害賠償を求めた行政訴訟の判決で、台北高等行政法院(裁判所)は17日、600万台湾ドル(約2056万円)を支払うよう命じた。同事件で外国人被害者に賠償を認めたのは初めて。 訴えていたのは、沖縄県浦添市の青山恵昭(けいしょう)さん(72)。青山さん一家は日本統治下だった台湾・基隆で暮らし、漁師だった父の故・恵先(えさき)さん(当時38歳)は出征後、ベトナムで終戦を迎えた。復員後の47年3月、台湾に家族を迎えに行き、基隆で国民党軍の兵士に連れ去られ、行方不明になった。