子持ち銀河の小さい方の中心に存在する超大質量ブラックホールが100万~200万年前に消化不良を起こし始め、周囲に物質を吹き飛ばしている様子が複数の波長の観測で示された。 【2017年7月6日 RAS】 りょうけん座の渦巻銀河「M51」は大小2つの銀河がつながっていて、「子持ち銀河」という愛称で有名な天体だ。この2つの銀河は数億年前につながり始め、数十億年後に合体し1つになると考えられている。 小さい方の銀河「NGC 5195」が大きい方の「NGC 5194」に突入すると、NGC 5195の中心にある太陽の1900万倍の質量を持つ超大質量ブラックホールへと物質が落ち込んで、周囲に降着円盤が形成される。円盤は、これ以上物質が降着できなくなるまで、つまりブラックホールが効率的に物質を消化できなくなるまで成長を続け、その後は物質が周りの恒星間空間へと吹き飛ばされる。 英・ジョドレルバンク天体物理学