推理小説を語るときの指標のひとつとして、「週刊文春」による「東西ミステリーベスト100」というものがある。推理作家や推理小説の愛好者ら約500名のアンケートから選出した、推理小説のオールタイムベスト選定企画で、過去に1985年と2012年の2回実施された(2023年11月時点)。 この「東西ミステリーベスト100」の日本編で、「三大奇書」の3作品ともが、2回連続でベスト20に入っている。つまり約30年の年月を経てなお、3作品とも多くの推理小説愛好家から愛され続けているわけだ。しかも、うち2作は戦前の作品にも関わらず、である。 推理小説だと思って読み始めてはいけない しかし、「三大奇書」は割と敬遠されてもいる。上述のとおり、多くの人が読みにくさを感じる内容で、途中で挫折する読者が少なくない。この記事は、そんな挫折する恐れのある人向けにお届けしたい。 まず言いたいのは、「三大奇書」を読むなら、