ルーン文字という言葉を聞いた時、私たちは何を思い浮かべるでしょうか。なんだかよくわからないけれども、何かしら念の込められた魔法の文字、というような印象でしょうか。実を言えば、私はそうでした。そうでした、と言っては不正確かもしれませんが、長らくそのように思っていました。 私が初めてルーン文字なる不可思議な文字の存在を意識したのは、中学校の頃だったと思います。ちょうど、ドラゴンクエストとかファイナルファンタジーとかいったファミコン用の RPG ゲームが登場する時代でした。中世ヨーロッパ風の剣と魔法の世界です。それらに代表されるゲームでは、しばしばルーン文字が、いやルーン文字と名付けられた文字列が使われていました。今思うと、クリエイターたちが見様見真似でゲームの世界に放り込んだ適当な作りの文字体系であったのかもしれませんが、私は、剣と魔法とルーン文字はセットだと思うようになっていました。 それに
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