先日、東京映画記者会主催のブルーリボン賞を発表した。何人かに紙面発表のためのインタビューを行った。どの受賞者も、ざっくばらんな話をしてくれた。紙面に載らず印象的だった話を書いてみたい。 作品賞「シン・ゴジラ」の樋口真嗣監督。庵野秀明総監督との2人体制の現場について質問が及んだ時のこと。製作中、公開後も2人がモメたうわさなどが飛び交った。庵野監督との現場の様子を聞くと、樋口監督はまず「円滑な現場なんてそもそもないんです」ときっぱり。確かに、厳しい物作りの現場で、仲良く円満に物事が進む、ということの方が珍しい。 樋口監督はさらに「それを円滑にいくようにするのが僕の役目。幸いなことに、2人で監督をするというのは『のぼうの城』でも経験していますから(=犬童一心監督と2人監督体制)。うまくいくコツは、相手の意見を否定しない代わりに、自分の意見も否定させないこと」と話した。 これは、物作りの現場だけで