韓国でのMERS感染の拡大は、私たちが常に新しい感染症の脅威と立ち向かう必要があることを思い起こさせてくれる。MERSについては日本への感染拡大を防ぐために監視体制が強化されており、おそらく感染拡大を未然に防ぐことができるだろう。 一方で、国内にはすでに「SFTS」という新しい感染症の脅威が増大している。この感染症はマダニが媒介するので、シカ・イノシシなどの野生動物の増加が、感染拡大に結び付く。今回の記事では、SFTSのような野生動物が運ぶ感染症の脅威への対策について考えてみよう。 死亡率30%の新興感染症SFTSとは? SFTS(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome重症熱性血小板減少症候群)は、2009年に中国で報告された新しい感染症である。わが国では2013年1月に初めてその感染者が確認された。 国立感染症研究所の統計によれば、2013