「SNS映え」する地方 昨年(2017年)末、安倍首相が懇談会の席上で「地方活性化の鍵」は「SNS」にあると発言し、物議をかもした。山口県の神社が海外メディアの紹介で観光客が増えたことを引きあいに、「SNS映え」が地方活性化のキーになると訴えたのである。 多くの批判が集まったように、この発言はたしかに軽薄である。 たとえばそれは、すでに観光客誘致のため施策を積み重ねてきた地方の努力を軽くみている。他の地方を出し抜く競争のなかでむしろ疲弊している地方に対する理解と同情が、そこには驚くほど欠けているのである。 ただし発言のこうした浮薄さを、ここで非難したいのではない。首相の発言で興味深いのは、多くの地方で再開発や整備が進み小奇麗に飾られた姿が浮き彫りにされることである。 最近の地方では少し行けば小洒落たレストランやカフェ、リノベーションを受けたパン屋や本屋が大抵みつかり、またTSUTAYA図書