芹澤さんは、そのクラウドファンディングに出資した人物の1人だ。しかも、ただの出資者ではない。支援メニューのなかには3000円、5000円、1万円……など、比較的出資しやすい金額も用意されていたのだが、芹澤さんは迷うことなく「支援額1000万円=ロケットの打ち上げボタンを押せる権利」のボタンをポチったのである。 出資を募ったぼくが言うことではないが、本当に飛ぶことになるのかよくわからないロケットに、パッと1000万円を出すなんて、どうかしているんじゃないだろうか。これこそ、まさに「ノリ」のなせるわざだろう。芹澤さんは語る。 「やっぱり、どうせやるならいちばん面白いことをしたくて。どうせ死にますし、お金をため込んでも仕方ないので。ならば『ノリ』で面白いことに参加しよう! そう思い、出資を決めました。国内民間企業初の宇宙ロケット打ち上げのボタンを『ポチッ』と押せるだなんて、考えただけでゾクゾクし