ジャーナリスト西谷文和が代表をつとめるNGOイラクの子どもを救う会の情報と 現地の最新レポートをお届けします。 10月15日、待つこと5日、ISAFの取材許可が下りたので、カブールのISAF本部へ向かう。ISAF本部へ行くには、本部建物から一キロ以上はなれたチェックポイントで車を降りなければならない。自動車爆弾を使った自爆攻撃を防ぐために、昨年までは車で結構近づけていたのだが、今年になってかなり遠いところから歩かねばならなくなった。 数回のチェックポイントを通り、何重にも張り巡らされたコンクリートの壁を通り抜けなけてISAF本部前に到着。「歩行者のみ」と書かれた入り口で待っていてくれたのは、パウエル米兵。パウエルさんの案内で巨大なISAF本部の敷地に入る。 基地内にはいろんな施設があって、兵士の寮やトレイニングルーム、カフェ、食堂、コマンダーの執務ビルなどなど。74カ国がISAF軍に兵を送
ジャーナリスト西谷文和が代表をつとめるNGOイラクの子どもを救う会の情報と 現地の最新レポートをお届けします。 今回のアフガン取材を振り返ってみる。まずはISAF軍の中に入れたのが収穫だった。実際にISAF本部のスポークスマンにいろいろと疑問をぶつけて、その回答を聞けたのは、いろいろと勉強になった。彼はドイツの軍人で「米軍の誤爆が、タリバンを増やしているのではないか?」などの、いわゆる「きわどい」質問にも、ちゃんと答えてくれた。 彼の認識の中には「武力だけでは解決しない。食料や教育、病院などインフラ整備を含めた援助が、怒りを鎮め、和平につながる」というものがあった。 つまり「平和貢献」「人道支援」なしには、アフガンを安定させることができない、という理念である。 実際にアフガンで行われていることは、「タリバン掃討」と言う名の、無差別爆撃であり、それが諸悪の根源だと思うのだが、米軍のやり方を変
ジャーナリスト西谷文和が代表をつとめるNGOイラクの子どもを救う会の情報と 現地の最新レポートをお届けします。 6月8日、やはり今日もインディラガンジー子ども病院へ行く。ハビーブ医師と再会。2日前に訪問した同じ病棟を回る。新たに重篤な子どもが担ぎ込まれている。 無肛門症の子どもが寝ている。1歳1ヶ月で大腸を体外に出して、そこから排出する。食事は口から食べている。 肛門を見せてもらう。 穴がない。無肛門症なので当然なのだが、やはり息をのむ。 しばらくこの状態で状態を見て手術する。排泄できるように肛門を開ける手術をすれば、この子は生き残れる。 別の病室には水頭症の子どもが寝ている。体液が頭にたまっているので頭が異様にふくれているが、3日前に手術して体液を抜いたので、これでもかなり良くなった状態だという。 「生き残れるのか?」 「5年くらいは持つだろう」 さらに別の病室へ。やはり水頭症の赤ちゃん
ジャーナリスト西谷文和が代表をつとめるNGOイラクの子どもを救う会の情報と 現地の最新レポートをお届けします。 写真は 先天性奇形腫瘍の赤ちゃん 「コンジネンタル・テラトーマ(先天的奇形腫瘍)だ」。ハビーブ医師がその赤ちゃんをくるんでいた布をめくりあげた時、私は言葉を失った。 「な、何やこれは。双子がくっついているのか?」 巨大な腫瘍が、その赤ちゃんの股の間からふくれだしていることを理解するのに、数秒かかった。そして悲しみと怒りと憐れみが混ざったような、何とも表現できない感情が、私を襲った。 生後4日目で、まだ生きている。 「がんの一種だ。このような原因不明の奇形児が、アフガンではたくさん産まれるようになった」。ハビーブ医師は透明な手袋をはめて、赤ちゃんの患部を触りながら、説明する。 女の子だ。赤ちゃんの泣き声が、狭い病室に響く。 隣の保育器には「無肛門症」の子どもが二人、ぐったりと寝てい
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