【ナイロビ=古谷祐伸】無政府状態のアフリカ東部ソマリアで、イスラム系武装勢力が、住民の金歯や銀歯を引き抜く事例が相次いでいる。武装勢力によるイスラムの独自解釈では、金銀の歯は禁止されているのだという。 ロイター通信によると、厳格なイスラム法の適用を掲げ、国際テロ組織アルカイダとの関係も指摘される急進的な武装勢力「シャバブ」が、実効支配する南部で最近始めた。金や銀を使った義歯がシャバブに見つかると、マスクをした「医者」と呼ばれる男のもとへ連行され、義歯ごとペンチや手で引き抜かれる。 首都モガディシオの南方にある町メルカで、銀歯を抜かれた住民男性は「罪になるなんて思わなかった。医者の部屋には何人もの住民が集められていた」と話した。 イスラムに金歯や銀歯を禁止する明確な決まりはない。アラブの町では金銀を扱う市場は盛況でもある。シャバブは、6〜7世紀に生きた預言者ムハンマドの言動に近づこうと