東京大学は、複雑な構造ゆえに合成が難しかった凸型の表面を持つ「星形多面体」を自己組織化によって100%の効率で作り出すことに成功したと発表した。カギとなる手法は、立方八面体型の分子(「アルキメデスの立体」の一種)を一度作り、この分子に突起部を付け加えることで星形化した立方八面体に変換する合成法であり、また突起部を除くことで元の立方八面体に戻すこともできたという。 成果は、東大大学院工学系研究科応用化学専攻の藤田誠教授らの研究グループによるもの。理化学研究所が所有する大型放射光施設「SPring-8」の構造生物学IIIビームライン「BL38B1」および高エネルギー加速器研究機構が所有する「フォトンファクトリー」のビームライン「PF-AR NE3A」を利用して、X線結晶構造解析データが収集された。 詳細な研究内容は、英科学誌「Nature Chemistry」に掲載される予定だ。それに先立ち、