日米共同研究機関、放射線影響研究所(広島市・長崎市、放影研)は8日、原爆投下後に降った「黒い雨」に遭った被爆者について、広島では雨によるがんのリスクの上昇は見られなかったとする解析結果を発表した。 放影研によると、解析対象は、がんリスクなどを長期的に調べている「寿命調査」の被爆者8万6671人(広島5万8535人、長崎2万8136人)。長崎の1956〜61年の聞き取りでは、「雨に遭った」734人▽「遭わなかった」2万3678人▽不明3724人−−だった。 62〜03年に白血病以外のがん(総固形がん)で亡くなった長崎の被爆者のうち100人が雨に遭い、2450人が遭っていなかった。さらに被ばく線量や性別、被爆時年齢などを考慮して死亡リスクを計算したところ、雨に遭った被爆者の方が3割多かったという。ただ、「雨に遭った」との回答は少なく、データに偏りが生じた可能性もあるという。 一方、被害者