緊迫する中東情勢への対応をめぐり、米国のキリスト教界でも激しい論争が続いている。米国のプロテスタントの中の保守層、いわゆる「福音派」にはイスラエル支持の立場を取る人が多いことが既によく知られている。それでは、福音派の対極に位置づけられるリベラル派のプロテスタント、いわゆる「メインライン(主流派)」の側の反応はどうか。『21世紀のキリスト教シオニズム』(2024年)=写真=の共著者で米国プロテスタントのイスラエル観に詳しいモッティ・インバリ氏(ノースカロライナ大学教授)とキリル・ブミン氏(メトロポリタン・カレッジ副学長)が、「レリジョン・ニュース・サービス(RNS)」に寄せた「オピニオン」(5月29日付)の中でこの問題を考察している。 両氏が指摘するのは、メインライン系の教会の内部の分断、とりわけ「牧師・指導層」と「一般信徒」の間の温度差である。一般に、メインライン教会はリベラルと言われ、人