鳩山由紀夫連立政権は4月30日、小泉郵政民営化を見直す「郵政改革関連法案」を閣議決定した。現在のところ、5月13日にも衆議院本会議で提案理由の説明を行い、同法案の国会審議に入る構えをみせている。 しかし、同法案は、本来は独占企業を律するための政策哲学をすり替えて用い、日本郵政に特権を付与することを可能にするという支離滅裂な内容だ。 背後には、現政権・連立与党に便利な集票マシーンとして、日本郵政を末永く活用しようとする意図が透けてみえる。 こうした法案は、日本郵政にモラルハザードをもたらすリスクがある。特権を享受しようとして、政治の言いなりになって経営の合理性を無視し、最後は破たんした国鉄や日本航空(JAL)の轍を踏む懸念が小さくないのである。 「郵政改革関連法案」は、郵政グループの経営基盤の強化策を盛り込んだ「郵政改革法案」、5年前に成立した日本郵政株式会社法を手直しする「日本郵政法改正案