The Baseline Scenarioで、サイモン・ジョンソンが、米州開発銀行におけるサマーズの講演内容*1を批判的に紹介している。 ジョンソンによれば、サマーズの講演のポイントは以下の5点。 あらゆる危機はいつかは終わる。経済の「自己均衡」の働きが最終的に取り戻される。ただし、そのためには政府の大きな財政支出が必要になるが、そうした危機は一世紀にせいぜい3,4回しか発生しないので、そうした巨額の支出も正当化される。その後の経済成長によって、財政支出により生じた負債の問題を矮小化する(grow out)ことができる。 危機脱出のため、2年前には人々にやめさせたがった行動を今は逆に促進する必要がある。それはすなわち、借り入れによるレバレッジである。 金融機関の自己資本を現在の状況に伴うリスクを考慮した上で適正化する必要がある。銀行へのストレステストはそれを目的にしている*2。 1990年