今から90年前、米国から友好を願って日本に贈られ、福岡県内の三つの小学校に今も残る「青い目の人形」の物語を、同県八女市の元小学校教諭で詩人の椎窓猛(しいまど・たけし)さん(87)が今夏、一冊の本「ペッギィちゃんの戦争と平和」にまとめた。敵国の人形として戦時中、軍部に処分を指示された人形をひそかに守り抜いた当時の教員らに感銘を受け「後世に広く残したい」と話す。 椎窓さんは4年前、仕事で同県嘉麻市を訪れた際、戦争を考えるイベントの告知ポスターにあどけない金髪の女の子の人形の写真を見つけた。市立大隈小学校(現在は統合で嘉穂小)に保管されていた青い目の人形「ペッギィちゃん」だった。