東京電力の福島第1原発はいまだ危険な状況が続いている。北朝鮮による拉致問題で被害者家族として活動した蓮池透さんは、かつて東京電力、しかも福島第1原発で働いた経験を持つ。発電所全体の安全統括などを担当していた彼は、今回の大惨事をどのように見ているのだろうか。前編に続いて、お送りする。 →「私も、被ばくした」――蓮池透が語る、原発労働の実態(前編) ※本記事は6月4日に開かれたシンポジウム「そこで働いているのは誰か――原発における被曝労働の実態」(主催:アジア太平洋資料センター)の講演内容をまとめたものです。 原子力政策は見直すべし 東京電力福島第1原発で事故が起き、2カ月が経過して、ようやく「メルトダウン」という言葉が出てきた。もし事故が起きた3月11日に「メルトダウンした」と発表していたら、日本は大変なことになっていたはずだ。だから東電は「メルトダウン」という言葉を使わなかったのだろう。