75歳以上の後期高齢者の人には1人当たり年間約91万円の医療費がかかっている。このお金は何で賄っているのだろうか。 患者本人が病院窓口で原則1割の自己負担分を払う。残りについては、半分が税金、1割を後期高齢者の人たちが納めている保険料で、あとの4割は現役世代が負担している。これをさまざまな調整の仕組みを勘案して計算すると、現役世代は1人の後期高齢者に対して毎年、約35万円を「仕送り」していることになる。 日本が世界に誇る「国民皆保険制度」だが、現役世代の仕送り頼みというのが現実だ。こうした仕組みは、あなたが高齢者になる日まで続けられるのだろうか。 「そんなに高額の仕送りをしているつもりはないんだけど……」。横浜市の会社員、杉浦浩樹さん(34)は、医療保険の仕組みをよく知らない。病院のお世話になるのは、趣味の草野球でけがをしたときくらいで「3年に1度くらいですね」。妻の有紀さん(30)はパー