私が生まれる前に撮られた、私の知らない彼と彼女の写真を見ていると、不思議な気持ちになる。写真の外側の世界ではその後彼と彼女は私の父親と母親になり、しばらく前に亡くなった。死によって、彼らは写真のなかの私の知らない彼と彼女に還って行った。そして写真のなかでは私の知らない時間が今も流れていて、その気になれば私もアリスのようにそこに入っていける。そんな錯覚が現実味を帯びることがある。 関連エントリー 記憶の彼方へ001:私の知らない祖父母(2008年02月27日) 記憶の彼方へ002:私の知らない父と私(2008年09月17日) 記憶の彼方へ003:幼い兄弟(2008年12月02日 ) 記憶の彼方へ004:父母の遺影(2008年12月27日) 記憶の彼方へ005:あやめヶ原の祖母(2008年12月28日) 記憶の彼方へ006:私の知らない私(2009年12月07日) 記憶の彼方へ007:私の知ら