この日は祖母の命日だったのでお墓参りへ。瓦が落ちちゃったので、元私の部屋は雨漏りし放題。ベッドは弟が生まれた時に設計士の父が作ってくれた2段ベッドの上部分。 一段目と二段目とばらして弟の部屋と私の部屋に置いたもの。あらぬとこへ吹っ飛んじゃった墓石。どこに水をかけようかで悩む。無事そうに見えても。 福島の人間は地震に対しては悲しんでいたとしても怒ってはいない。長く住んできた家が、土地が、壊れてもまた直せる。 苦しんでいるのは目に見えないものに対してだ。それは「放射能」なんて一言で言えるものではない。 人間の悪意、善意、思惑、嘘、不安、そういったものが織り交ぜられて混沌としている。私は郡山で生まれて郡山で育った。 生まれつき足が悪くて14歳の時に両足を手術した。 尖足と呼ばれる奇形だった私は、その時期に手術をしなければ子供を産めなくなるかもしれないと診断を受けた。「福島の人間は子供が産めなくな