人間は、自分で自分の歴史をつくる。しかし、自由自在に、自分で勝手に選んだ状況のもとで歴史をつくるのではなくて、直接にありあわせる、あたえられた、過去からうけついだ状況のもとでつくるのである。あらゆる死んだ世代の伝統が、生きている人間の頭のうえに夢魔のようにのしかかっている。(*) 書くということはすでに何度も繰り返された歴史をたどりつつ、そこから離れようとするある運動のことであるが、これがこの私たちの愚かなブロゴスフィアの場合、たとえばありとあらゆる場所で繰り返される大小様々な幾千億のエントリの更新、「そんな記事は既出」に代表される先に書いたものが重要であるという無意味な価値観の蔓延、書き手の恣意的かつ任意の削除により言論の倫理性が激しく損なわれて回復不能となっている事実などにより、その中で生きるほかない私たち21世紀の日本人は、自分たちの書いているエントリがいったいどのような立ち位置、時