自殺未遂者ケアなど専門的な治療ができる総合病院に06年8月時点で勤務していた精神科医892人についてその後の勤務先を調査したところ、約2年半後には約4割が診療所の開業などを理由に離職したことが分かった。日本精神神経学会で発表された。この間、総合病院の医師は16%減っている。毎日新聞にも国立病院機構横浜医療センターの武川吉和精神科部長(48)が投書を寄せ「ベテランがごっそり開業し、総合病院精神科の滅亡は加速しそうです」と訴えた。精神科医療を担う総合病院が大きく揺らいでいる。【堀智行、奥山智己】 横浜市戸塚区のベッドタウンにある横浜医療センター。10年ほど前から周辺の市や区に精神科診療所が次々と開業した。地域の診療所が外来を担当し、症状が重い場合は総合病院が診る--。武川部長は、精神科医療に関する国の検討会がめざす役割分担が進むことを期待していた。 しかしもくろみは外れた。診療所には患者が押し