宴会の開始時間が迫っていた。上司も来ることになっており、少々焦る。店員はいろいろと説明してくれたが、上の空だ。ようやく携帯電話を手に入れ、解放されたときにはすでに開宴時間を少し回っていた。ちょっと走った。 三宮の余りぱっとしない雑居ビルのエレベーターの前で、同じく少し遅れた同僚と出会い、エレベータで上に上がり、しゃれたレストランの奥に通された。十数名の宴会である。とりあえず遅れたことを詫び末席に着いた。都合で遅れている人が他にも数名居たようだ。隣に座った人にケータイを買った報告。持ってなかったの、と驚かれた。 細長いテーブルの向こうとこちらでは意思の疎通が難しい。こちら側には盛んに九州風の料理が運ばれ、赤ワインのおかわりが出てくる。こっち側の方が楽しいし、おいしい。私は赤ワインが好きだ。今運ばれているワインは悪くない。宴会の記憶は途切れがちだ。まぁ、結構おいしかった。 これと云ったどんでん