前原誠司外相は21日午前の衆院安全保障委員会で、中国の最高指導者だった故・トウ小平(トン・シアオピン=トウは登におおざと)氏が尖閣諸島の領有権を巡り、1978年に「一時棚上げしても構わない」と発言したことについて、「トウ氏の一方的な言葉で、日本が合意した事実はない」と述べた。尖閣諸島は日本固有の領土で、日中間に領土問題は存在しない、とする日本政府の立場を強調したものだ。民主党の神風英男氏の質問に答えた。 中国は70年代初頭から尖閣諸島の領有権を主張していたが、78年に日中間で日中平和友好条約を締結した際、トウ氏は「解決を次世代に委ねよう」と発言し、両国の友好関係を深める代わりに領土問題を「棚上げ」することを容認した。 一方、前原氏は自民党の新藤義孝氏への答弁で、東シナ海のガス田「白樺(しらかば)」(中国名・春暁)の施設に中国側が機材を持ち込んだ件について「掘削を行っている可能性はあると